環境調査

海域から淡水域まで、さらに陸域を含むフィールドで、物理・化学環境及び・生物に関する調査を担う優れた専門スタッフを多数擁しています。全国での数多くの実績のうえで最新の技術を駆使し、お客様のニーズに最適化した提案と高品質の成果を提供します。

海域調査

波や流れを計って海の物理環境を知る海象調査、プランクトンから魚類、鯨類、鳥類まで海にいるあらゆる生き物を調べる生物調査、沿岸海洋生態系の基盤を担う海草藻類の分布を調べる藻場調査など、三洋テクノマリンの環境調査を紹介します。

流況調査

河川・湖沼・ダムといった陸水域から海洋の沿岸・沖合・外洋に至る海域までのフィールドで、目的用途に応じて調査機器を選定し、定点連続観測、曳航式観測、スポット観測、河川流量観測等の手法で流況観測を行います。取得したデータを目的に応じて種々に解析し、当該地における流況の特性を明らかにし、港や橋などの設計と維持管理に必要な外力計算の基礎資料を提供します。

電磁流速計(左:Compact-EM 右:Infinity-EM)

定点連続観測(係留計設置風景)

ADCP(Acoustic Doppler Current Profiler)

曳航式観測

AEM1-D(河川用電磁流速計)

河川流量観測

波浪調査

港湾、漁港、海岸など多様な条件下で、超音式波高計を用いて、暴浪時の波浪実態調査、港内の静穏度調査、長周期波調査等を実施します。取得した波高データについて、波浪統計解析、長周期波解析、スペクトル解析などを実施し、波浪の詳細を明らかにします。

多機能型海象計(DL-3)

波高計の設置風景

流況・波浪解析

現場観測からデータの処理、解析まで一貫した態勢で取り組み、必要なデータを精度よく速やかに提供します。対応が可能な解析は下記のとおりです。また、独自のデータ処理プログラムを保有していますので、観測データからデータセットを短時間で作成することもできます。

流況解析

●観測データの整理
●各種時系列の作成
●流況統計解析
●25時間移動平均
●流向流速頻度分布
●調和解析
●潮流楕円
●スペクトル解析

ACDPと水温を同時に測定するシステムを用いて、温排水の面的な広がり等を短時間で観測

波浪解析

●観測データの整理・波浪諸元の作成
●波浪統計解析
●長周期は解析
●スペクトル解析

波浪統計解析・長周期波解析

生物調査

海域(沿岸域、中深海域)、河口域、汽水域等、全国の海を対象とし、プランクトン、底生生物、魚介類、魚卵・稚仔魚、付着生物等について環境や目的に応じた適切な調査計画を策定し、現地観察や採取・分析を行います。
 各分野の専門家による現地での観察・同定、分類技能を持つ技術者による海草藻類、付着生物等の潜水観察、プランクトン等の自社室内分析のほか、汽水域の環境調査、干潟生態系調査、ため池(ビオトープ)調査、改変前の環境調査など、生態系を視野に入れた複合的な調査にも対応しています。

<調査項目>
 魚介類調査、底生生物調査、プランクトン調査、魚卵・稚仔魚調査、干潟生物調査、潮間帯調査、付着生物調査、
 海草藻類調査 等

<対象業務>
・海辺の国勢調査
・河川水辺の国勢調査(河口域)
・環境影響評価に関わる事前・事後調査
・海域の環境改善に関わる調査・検討
・漁場環境整備に関わる調査・検討
・生物共生型構造物など生物生息環境の保全、創出に関わる調査・検討

魚介類調査(投網)

魚介類調査(底曳網による採取)

プランクトン調査
(プランクトンネット)

魚卵・稚仔魚調査
(マルチネットの曳網)

干潟生物調査(干潟での観察風景)

河川底生生物調査(サーバーネット)

付着生物調査(付着藻類採取)

水中ビデオ撮影

干潟の生物(トビハゼ)

干潟の生物(ヤマトオサガニ)

干潟の生物(シオマネキ)

干潟の生物(カブトガニ)

藻場調査

藻場は、沿岸域における魚介類の重要な生育場や二酸化炭素の吸収、水質浄化の場として重要です。このため、環境保全・創造、水産増殖、あるいは事業評価の観点から、藻場の種類や分布、藻場の分布を規定する物理、化学、生物的な要因の現状把握、藻場を利用する魚介類の生育状況等生態系の把握といった様々な調査が求められます。当社では、オーソドックスな藻場調査は勿論、最新のリモートセンシング技術 2018年3月に第3回宇宙開発利用大賞環境大臣賞を受賞しました! サイドスキャンソナー を利用した藻場の定量調査や藻場に蝟集する魚介類の画像や映像を連続撮影し定量評価する技術を有し、精度高い成果を提供します。

潜水調査(枠取り)

間欠カメラ調査

水質・底質調査

 海域、河川、湖沼・ダム、地下水等、さまざまな水環境を対象とし、環境や目的に応じた適切な調査計画を策定し、採水・採泥と化学分析を行います。
 当社が有する複合的な専門技術と幅広い人材、豊富な調査機材を活用し、汽水域における塩分遡上調査、干潟等における間隙水調査、離島域や沖合いでの長期観測、中深海調査、栄養塩類等溶出実験、酸素消費試験等にも対応しています。

<調査項目>
 水質調査、底質調査、河川調査、河床材料調査、溶出実験、酸素消費試験 等

<対象業務>
・公共用水域定期水質(底質)調査
・環境影響評価に関わる事前・事後調査
・海域、陸水域の水質改善に関わる調査・検討
・海域の物質循環や栄養塩類の活用に関わる調査・検討
・生物生息環境の保全、創出に関わる調査・検討
・地下水調査 等

採水器による採水

採泥器による採泥

潜水による柱状採泥

溶出実験

干潟での採泥

河川での採水

河川での水質調査

河川の流量調査

ダムでの水質調査

陸域調査

水辺を利用するのは魚類や鳥類だけではありません。水辺を利用する動物・植物の調査もお任せください。

動物・植物調査

河川、湖沼・ダム、ため池、市街地、公園、森林等、陸域の様々な環境を対象とし、鳥類、陸上昆虫類、植物、小動物等について環境や目的に応じた適切な調査計画を策定し、現地観察や採取・分析を行います。
 各分野の専門家による現地での観察・同定、河川や堰等における魚類の遡上調査、昆虫類や魚類等の室内飼育実験や屋外実験等のほか、公園やため池(ビオトープ)調査、改変前の環境調査等、生態系を視野に入れた複合的な調査にも対応しています。

<調査項目>
 魚類調査、底生生物調査、鳥類調査、植物調査、陸上昆虫類調査、小動物調査 等

<対象業務>
・河川水辺の国勢調査
・環境影響評価に関わる事前・事後調査
・陸水域の環境改善に関わる調査・検討
・生物生息環境の保全、創出に関わる調査・検討

メダカ

鳥類調査

キジ

ハマボウフウ

ゲンジボタル

ゲンゴロウ

ハクビシンの足跡

アオダイショウ

シュレーゲルアオガエル

大気調査等

環境影響評価にも対応した大気・騒音調査、交通量調査をします。

大気・騒音調査

環境基本法や大気汚染防止法等の各種法律に基づいて測定を行い、環境の現状を的確に把握し、環境保全と安全対策に適用します。 当社では、主に人体や生活区域、自然環境区域への影響に関する大気や騒音問題に取組んでいます。

大気観測装置設置状況

マイクロフォン設置状況

交通量調査

施設整備により生じる交通量への影響の把握等の目的から、人・車両の流れや量を測定し、時間、流れの方向、車両別等の解析を行います。

分析

計量証明事業登録をしておりますので、安心してお任せ下さい。

生物分析

湖沼・河川から海域までのあらゆる水圏に生息する水生生物(バクテリア、プランクトン、ベントス、魚卵・稚仔魚など)の分析を行います。顕微鏡による種の査定だけではなく、DNAや抗体反応を用いた生化学的な分析や、培養・飼育試験も行います。

動物プランクトン

主にバクテリアや植物プランクトンを摂餌する従属栄養性の浮遊生物のことで、プランクトンネットや採水器によって採取します。
体長0.01mm程度の微小な原生動物から、体長数cmの節足動物やクラゲ類等までの幅広い分類群で構成される生物群です。

<主な分析>
・動物プランクトン(採水法/ネット法)
・幼生プランクトン(二枚貝類や外来生物等の浮遊幼生)

■モノクローナル抗体を用いたアサリ浮遊幼生の同定について
アサリ浮遊幼生特異的モノクローナル抗体(独立行政法人 水産総合研究センター;特許番号 第2913026号)により、二枚貝類の浮遊幼生群に含まれるアサリ幼生のみを特異的に蛍光で標識し(写真右)、通常の顕微鏡観察では困難な定量的分析を短時間・高精度に実施します。

プランクトンネットで採取された動物プランクトン

アサリ浮遊幼生の同定 形態的な識別は難しい(写真左)が、 蛍光により識別可能(写真右の矢印)

植物プランクトン

例外はありますが、動物プランクトンやバクテリアとの違いは光合成能の有無で分類されています。細胞は基本的に動物プランクトンより小さいため、主に採水器によって水ごと採取します。
植物なので水中を浮遊するものが多いのですが、鞭毛を持ち遊泳力のあるミドリムシやボルボックスなど多種多様な生活を営んでいます。

<主な分析>
・植物プランクトン分析(採水法/ネット法)
・赤潮、アオコ(原因種の特定)
・ピコプランクトン(大きさ0.2~2μm)

■赤潮・アオコ原因種の特定について
湖沼や沿岸・内湾域で突発的に発生する赤潮・アオコにおいて、通常のホルマリン・グルタルアルデヒド・ルゴール等の固定試料では細胞の形態が収縮等により変化し、原因種を種レベルで特定する事が困難な場合があります。そこで、未固定の採水試料を採取後に迅速に分析することで、赤潮・アオコの原因種を特定します。

植物プランクトン(ボルボックス)

赤潮原因種 (Chattonella marina var. antiqua)

ベントス(底生生物)

●水底(岩石、砂地、泥地、人工建造物等)を這い回ったり、付着して生息する生物で、サンゴや海藻などの植物性のものと、貝類やゴカイ、ヒトデなどの動物性のものに大別されます。 生息する場所や体サイズによって例えば以下のように分類され、また採取方法も分析対象によって様々です。
<主な分析>
・ベントス(メイオ、マクロ、メガロベントス)
・付着生物、葉上生物
・潮間帯生物

マクロベントス(多毛類のイトエラスピオ)

魚卵・稚仔魚

浮遊性の魚卵や稚仔魚の多くは、稚魚ネットやMTDネットを曳航して採取しますが、沈性卵については採泥器やソリネットなどを用いて採取します。

<主な分析>
・魚卵(浮性卵、沈性卵)
・稚仔魚
・不明卵のDNA・孵化飼育による同定

魚卵(浮性卵)

稚魚

環境DNA分析

環境DNA

水中、泥中のDNAを調べ、生物の有無を調べる方法です。

魚類調査のような網の設置等の手間がなく、水や泥を採取するだけで済むため、従来の方法に代わる簡便な手法として着目されています。

定量PCR法

種特異的なシステムを構築し、DNA量を分析することで、試料中に含まれる対象種の有無及び生物量を把握する方法です。

マイクロサテライトDNA分析

同一種であっても、遺伝子的な隔離が起こっていることがあります。地点ごとに遺伝的に独立しているか、あるいは交雑が起きているかを調べる方法です。 

マイクロプラスチック分析

マイクロプラスチック定性・定量分析

近年、海水中を漂う微細なプラスチックが海洋環境や生態系に与える影響が懸念されています。

採水・ネット採集試料、採泥試料、動物の消化管などからプラスチック粒子を検出します。

化学分析

多項目分析計(TRACCS)のほか、各種機器を所有し、自社で分析・測定を行うことにより、スピーディーな納品が可能です。
各業種の企業様からの分析・測定のご依頼にも豊富な実績があります。ご希望に応じて、報告書・資料の作成も行います。

<主な分析>
・海域・河川・湖沼、地下水、排水・下水の水質分析
・公共用水域の堆積物・下水汚泥・土壌の含有・溶出分析、土質試験
・海底・湖沼堆積物のDO消費実験、栄養塩類等の溶出実験

<登録事項>
・計量証明事業:第601号(濃度)/第音43号(音圧レベル)/第振32号(振動加速度レベル) [埼玉県知事登録]

分析風景


業務実績

平成29年度

発注元 業務名
国土交通省 関東地方整備局 東京湾浅場造成環境調査
国土交通省 中部地方整備局 平成29年度 三河湾環境調査
環境省 瀬戸内海における藻場・干潟分布状況調査検討業務
兵庫県 但馬沿岸 藻場の情報収集整理業務

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