生物生態研究所

就任のごあいさつ

生物生態研究所所長 石丸 隆

 水辺の環境は私たちの心を安らかにしてくれますが、都市周辺では埋め立てが進み人々は水に近づくことが難しくなりました。一方、地形は変わらなくても、海水温上昇による漁獲量の減少、魚種の変化や藻場の衰退などにより水産業や伝統文化の存続が難しくなってきた地方もあります。人間活動が地球環境に大きな影響を与えることが顕らかとなり、二酸化炭素の削減や、生物多様性を守るための自然保護区の制定などの国際的な取り決めが進められ、環境政策は経済、社会及び環境の側面から持続可能な開発を目指す国連の2030アジェンダに包括されSDGsという目標が設定されました。目標の達成には国や自治体、あるいは産官民協力などによる大規模な行動が必要ですが、個々人の生活意識の改革やエコロジカルライフを目指す実践活動も重要です。私たちは、生物や生態系に関する基礎データの取得や環境保全に関する企画立案のお役に立つとともに、環境教育や草の根運動のお手伝いができればと考えています。

退任のごあいさつ

生物生態研究所 所長退任にあたって 谷口 旭

 平成23年秋、寺崎誠初代所長のあとを継いでから10年、折にふれて生物海洋学的な視点から意見を発信させていただきました。昭和36年学生として入学してのち大学だけで過ごしてきた者としては、この10年間は意外なことも多く、戸惑うこともありましたが、その分視野が拡がったと感じています。この間、激化する地球環境変化の被害を頻々と受けるようになり、社会は真剣にこの問題と取り組みはじめました。海洋は二酸化炭素を吸収するなどして太古から地球環境を守ってきましたが、今ではその陰の立役者が海洋生物であることが分かっています。海の生物は今なお人為的な育成栽培なしに漁業を支えています。人類の将来は、原初の生命を誕生させたように、これからも母なる海が守ってくれると私は信じています。その恩恵を享受するために、人類は海と海の生物に受け入れられる生活スタイルをとる必要があります。海の生物を知ることは、今後ますます重要になるでしょう。

当社で分析した動植物プランクトン、底生生物、魚介類、海藻草類をWEB図鑑としてまとめました。

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