2023年 ニュースリリース詳細

当社の技術グループが土木学会環境賞を受賞!

東京支社技術部の永友繁(代表者)はじめ、五味久昭、須田祐次、早川辰徳、柴宮孝明、信田亮輔のグループが、一般財団法人 みなと総合研究財団様、国土交通省 四国地方整備局様とともに令和4年度土木学会環境賞を受賞しました。

土木学会賞は、学会創立後6年目の1920(大正9)年に「土木賞」として創設されて以来、大戦終了後の1945年から48年までの余儀ない中断はあるものの、100余年の伝統に基づく権威ある表彰制度です。

【受賞名】
土木学会環境賞
IIグループ:土木技術・システムを開発・運用し、環境の保全・改善・創造に貢献した画期的なプロジェクト


【プロジェクト名】
高知県須崎港における生物共生を考慮した港湾整備


【受賞者名】

 

【概要】
高知県須崎港は、土佐湾のほぼ中央に位置し、県下最大の貨物量を取り扱っている。リアス式海岸の形状をした天然の良港である反面、津波の被害を受けやすく、過去幾度となく大きな津波被害を受けている。大規模地震等から背後住民の生命と財産を防護、港内の静穏性確保を目的に、昭和58年度~平成25年度にかけ湾口地区防波堤が整備され、現在は、東日本大震災を契機に大規模地震津波に備えた粘り強い構造への補強等の改良工事が行われている。

改良工事では、防波堤の腹付け工の補強により浅場が創出され、防波堤の強度が増すとともに、防波堤基部に創出された浅場で平成26年から令和3年度に実施した藻場造成実証試験により約0.2haの藻場が形成された。
須崎港及び周辺の岩礁域のほとんどは藻場が形成されない磯焼け状態にあることから、造成藻場は、生物の生息場として重要な役割を果たすだけではなく、ブルーカーボン生態系として機能し、年間1.3トンのCO2を固定すると試算され、カーボンニュートラルポートの実現にも寄与すると期待される。
また、防波堤では、リサイクル材である鉄鋼スラグ水和固化体の有効活用を目的とした海藻の着生試験も行った。鉄鋼スラグには、南方系ホンダワラ類とテングサ属に対する着生効果が確認され、低炭素型構造物の観点から 、被覆ブロック等への活用が期待される結果が得られた。
以上のように、防波堤腹付け工における藻場造成の成功、リサイクル材である鉄鋼スラグの港湾整備における効果的な活用、8年間に及ぶ長期間の藻場造成実証試験における詳細なモニタリングが土木学会環境賞の授賞に相応しいものと評価された。

 

土木学会環境賞の紹介ページ

公益社団法人 土木学会賞 令和4年度受賞一覧 (jsce.or.jp)

 

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