生物生態研究所通信
友達と話をしていて、思わず「それに関してはね、こんなことがあるんだ」と言いたくなったことはありませんか。この生物生態研究所通信では、海の環境と生物に関わる「こんなこと」を紹介します。以前「海洋と生物」誌にプランクトンに関する専門的な総説を連載したとき、科学からの息抜きのために「海のことば」と題した雑学コラムを設けました。その趣旨を引き継ぐものです。
私が学生のころ、国内では「日本人の教養は大学受験時が最高、入学後は衰える一方」といわれ、米国からは「日本の初等中等教育は機能しているが、大学教育には学ぶべきことは何もない」といわれていました。社会人である私たちは、お互いに「こんなこと」を分け与えながら教養を高めたいものです。この通信がそれに役立つならば幸いです。
谷口 旭
-
通信No. 49 海の言葉43【TriviaとTrivium】
トリビアも充実すると教養、知性となるが、それを論ずるのが目的ではない。伝統的な教養教育とトリビアとの言語上の関係を紹介するのが目的である。…
-
通信No. 48 海の言葉42【昔からあった雑学】
最近、雑学とはいわずに、英語を取り入れて「トリビア」ということが多くなった。カタカナ語を戒める意見があるものの、この場合はトリビアの方が良いと思う。…
-
通信No. 47 海の言葉41【雑学】
雑学とは唐突な、と思われるかもしれない。雑学は、「種々の物事を研究すること。雑駁なる学問 (言泉)」、「雑多な物事・方面にわたる、系統立っていない学問・知識 (広辞苑)」、「広い分野にわたっている雑多な知識。また、系統、組織立てて専門に研究してはいない知識や学問 (日本国語大辞典)」であり、確かに、海に関係している語にはみえない。…
-
通信No. 46 海の言葉40【トレビの泉】
2019年11月27日ローマ発CNN『トレビの泉に《防護壁》を:観光客で大混雑の現状に対策提案』というニュースが目にとまった。…
-
通信No. 45 海の言葉39【マイクロプラスチックとプランクトンネット地】
海に漂うマイクロプラスチックへの懸念が拡大している。動物が誤って食べたプラスチックは、消化管充満などの物理的障害、含有ないし海水中で吸着した物質による化学的障害を引き起こす。
-
通信No. 44 海の言葉38【特殊な漁場―親潮黒潮移行域】
北西太平洋漁場は生産性の高い漁場であり、本邦東方沖の親潮黒潮移行域(混合水域ともいう)はその中心である。…
-
通信No. 43 海の言葉37【漁場】
漁場は、漁業者が生業として水産生物を採捕する場であり、それなりの条件を満たしている必要がある。…
-
通信No. 42 海の言葉36【問題をはらむ用語④-低次生態系】
【問題をはらむ用語④-低次生態系】日々科学は進歩し、新たな専門用語が必要になる。新種生物や新規化合物の学名は典型的な例である。