生物生態研究所通信
友達と話をしていて、思わず「それに関してはね、こんなことがあるんだ」と言いたくなったことはありませんか。この生物生態研究所通信では、海の環境と生物に関わる「こんなこと」を紹介します。以前「海洋と生物」誌にプランクトンに関する専門的な総説を連載したとき、科学からの息抜きのために「海のことば」と題した雑学コラムを設けました。その趣旨を引き継ぐものです。
私が学生のころ、国内では「日本人の教養は大学受験時が最高、入学後は衰える一方」といわれ、米国からは「日本の初等中等教育は機能しているが、大学教育には学ぶべきことは何もない」といわれていました。社会人である私たちは、お互いに「こんなこと」を分け与えながら教養を高めたいものです。この通信がそれに役立つならば幸いです。
谷口 旭
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通信No.25 海の言葉⑲
【学抜き研究所】 さまざまな場面で「海洋研究所」という語を耳にする。 確かに日本には「海洋研究所」が実在するが、欧米の研究所は「海洋学研究所」である。...
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通信No.24 専門的文書の漢字⑤
【浸食か侵食か】本シリーズ③で、代用語の例として挙げた「浸蝕→浸食」に関して、地学や海岸工学では「侵食(侵蝕)」と書くのではないかとの指摘をいただいた。...
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通信No.23 専門的文書の漢字④
【漢字用法の共通ルールの必要性】国語審議会は「沈澱→沈殿」の書き換えを決めた。では「澱粉」も「殿粉」と書くのかというと、そうはなっていないのである。...
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通信No.22 専門的文書の漢字③
【専門的用語の漢字表記にみられる不統一】前号に記したように、専門的文書においては、常用漢字表にこだわるあまり滑らかな理解を妨げたり、さらに誤解を招くようなことがあってはならない。...
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通信No.21 専門的文書の漢字②
【常用漢字表の限界】1981年3月国語審議会が答申し、同年10月内閣告示第1号として公布された1,945字を収める「常用漢字表」の前文は...
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通信No.20 専門的文書の漢字①
【使える漢字、使えない漢字】漢字は4千年近く前に発明され、今なお使われ続けている稀有な文字である。同時に、字数が極めて多い点でも...
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通信No.19 海の言葉⑱
【死の海】アジアとヨーロッパの境界にある黒海(The Black Sea)は、面積44万km2、平均水深1,253 m, 最深2,212 mの大きな内陸海である。...
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通信No.18 海の言葉⑰
【日本海の危機】2016年12月8日、気象庁は「日本海の水温と酸素量の変化について」報道発表した。日本海では、1990年代から2,000 mの漸深層で水温上昇と酸素量減少が…